壮大な理念は持つ必要はない。いや、持ってはいけない。
世界平和とか自由とか平等とか民主主義とかの理念もそう。
これは空想の産物であり、幻想。
足元にある、もっと小さいことから始めるべき。
と言うのは、今私がここに置かれているのは、ここですべきことがあるからです。
ここの場所をきっちりすることが、世界をきっちりすることにつながる。
どんな動物や植物でも、まず身の回りから固めます。これが自分の仕事です。
それをせず、大いなる理想を掲げても、ただの幻想でしかない。
頭だけで語る人は、幻想の中に暮らしています。現実をコントロールできない。
知的エリート達が世界を混迷に導いている。なのに、尊ばれている。不思議なこと。
頭はもっと、身近なものに使うべきです。知性が混乱をもたらしているからです。
頭はとてつもなく広く想像できますが、現実について知っていることは僅か。
難しい理念から始める必要はない。いや、そこから始めてはいけない。
知識人が得意とする難しい理念は、あまりにも現実とかけ離れている。
はっきり言って、理念から始めると自己矛盾が生じて混乱が生じるだけなんです。
理性も知性も地に落ちた。頭は間違ってばかり。もう信用できません。
隣人を大切にし、つながりが保たれるなら、自ずと全体へつながっていきます。
身の回りがきっちりしていないから、全体もうまく回らないのです。
最も大事なのは、今いるここの場所。あそこではない。
そこをないがしろにしてどうして世界平和など達成できるでしょう。
小さいことができない人に、どうして大きなことができるでしょう。
賢くなると、人はその賢さに溺れてしまう。足元が一番大事なのに、足元を見なくなる。
口で恰好いいことばかり語る人は、すぐに矛盾が露呈してくるものです。