癌と戦争


体の中では、たくさんの細胞や菌が協力し合って、一つの個体を維持しています。
しかし、突然、特定の細胞が癌化して、他の細胞を壊そうとすることがあります。
そうすると、周辺の細胞や体中の組織が協力し合って、癌と闘おうとします。
外科手術で癌を除去することができることもあるが、結果的に個体が死ぬ場合もある。

癌の原因は、はっきりしていませんが、恐らく、今の戦争が起きる原因と同じでしょう。

癌だって、自分を守ろうとする中で、癌のように変異せざるを得なかったのでしょう。
別になりたくて癌になったわけではない。見た目では、突然癌化したように見えますが、必ず下地はあるはずです。身の危険を強く感じると、人もそうですが、急変することがある。
一体だったものが分かれた。自分という個が目覚め、敵視が生じ、バランスが崩れる。

癌は悪いことをします。戦いは長く続くし、体力を蝕んで、後遺症を生じさせることもある。
ただ、癌は自分が悪いことをしているとは思っていない。自分を守るためにそうしている。
つまり、自分のためによかれとしてしていることが、悪いことになっている。
自分にとっていいことが必ずしも全体にいいことにならないことがある。常にこの微妙なバランスで多くの問題が生じている。この解決策はほぼない。人にはできない。
こうなると、部分を修復したり、個を殺してしまうことで調整がなされていく。
元々、敵も味方もなかった。癌が生じないようにすることが大事なんです。

肉の世界では、どうしても自分を守ろうとします。これは当然の正義とされています。
「自分を捨てること」こそ大事なのですが、捨てると言うと、命を捨てて敵と戦うことの方を選ぶ。敵を殺すことを選ぶ。そして、恨みが恨みを呼んでいく。
つまり、勝つというのは、敵に対して勝つことなんです。自分に対してではない。
敵味方に分けた瞬間、戦いが始まった。

★この世界は力の均衡でなっている。それを「調和」という美しい言葉で呼ぶこともあります。
★この世の苦しみは、人類に与えられた試練。生みの苦しみ。忍耐しかない。
★この世で起きることは、自分の肉体の中でも起きている。
 ただ、心は燃えても、肉は弱い。