支配者と被支配者

強い者は弱い者がいるから強い者と呼ばれる。
勝者は敗北者がいるからこそ、勝者と呼ばれる。
合格者は不合格者がいるからこそ、合格者と呼ばれる。
つまり、一方がなければ、一方もない。
支配されるものがいなければ、支配者もいない。

上手くいっている社会には、支配者も支配されるものもいない。
腕力の強いものや弱い者はいても、支配者でも支配されるものでもないからです。
個々の違いは厳然としてあります。しかし、それは本来互いに補うためにある。
水が高いところから低いところに流れるように、力は強い者から弱い者へと補われる。
多様性こそが世界。多様性があるから、秩序もある。
支配者と被支配者という区分けを勝手に作ったのは、人です。
本来、違いはあっても区分けなどなかったのです。
それぞれがそれぞれの役割を担っていたのです。そこには上下もなかった。

勝ち負けにこだわる人は、その時点で、人を愛する心を失っている。
こんなことを書けば、大抵の人に非難されるに違いないと知りつつ書いています。